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5月岳南朝日新聞母力コラム掲載されました

毎月第2木曜日は、岳南朝日新聞の母力コラム「母に必要なチカラって何だろう」の掲載日です。
今回のテーマは『郷土愛』。
県外から柚野に移り住んだメンバーが書いたコラムです。ぜひお読みください(^_^)

いつか戻ってきたくなる町、富士宮に。

 

 

【都会育ちの閉塞感】

私は、千葉県市川市で子ども時代を過ごしました。そこは、東京で働く人たちのベッドタウンで、東京駅から電車で30分程度という立地でした。小学校は1学年7クラスのマンモス校で、全校集会では1,200人を越える子どもたちが体育館に集いました。同じ学年でも知らない子がたくさんいるという子ども時代でした。買い物も習い事も全ては自転車で行動できる範囲にあるという、便利な町。私の家族は賃貸マンション暮らしでしたが、隣の人の顔がかろうじてわかる程度で、同じマンションにどんな人が住んでいるのかも知りません。でも、それが当たり前だと思って育ってきました。移入家族ばかりで構成されていたことで、小さな頃から、大人になったら私もいつかこの町から出て行くのだろうことも当たり前に思っていた私に、郷土愛や地元愛という感覚は全くありませんでした。

 

【結婚し、富士宮へ】

就職により千葉県を出て、山梨県に移り住みました。会社の寮で生活していた私に、会社愛は育ちました。仕事の関係で出会う地元の人のおかげで、郷土愛を持つ人が地域にたくさんいることを知りました。しかし、やはりここでも土地を愛するという感覚を自分が持つまでには至らず、結婚を機に静岡県富士宮市に移り住むことになりました。

 

【柚野に暮らす】

富士宮での生活が始まり、すぐに子どもが生まれました。私たち夫婦は、子どもをのびのびと育てたいという希望を叶える場所を探していました。そこで選んだ場所、それが市内、旧芝川町柚野地区でした。柚野は、田んぼと畑が広がっていて、地域のつながりも深い地域です。そのわりには移入家族も多く、もともと地元に住み続けている人たちも、移入を受け入れる空気があると感じています。

 

【柚野のよさ】

今の時期、うちの子はレンゲの咲く田んぼの間の道を通って登校します。登下校中の子どもたちは知らない大人でも、必ず挨拶してくれます。学校が終わると友達の家に遊びに行きます。家の裏の畑で育てた野菜を食べて、庭木に木登りして遊ぶこともできます。PTAや子ども会の役員には多くのお父さんが参加していますし、仲のいい友達が私自身にもたくさんできました。もちろん、地域が狭い故に大変なこともありますし、高校は遠い場所にしかないので苦労もあると思いますが、私たち家族にとっては総合的に考えて、メリットのほうが大きいと感じています。自分が子どもだった頃とは全く違う世界が柚野にはあります。

【郷土愛って何だろう?】

「郷土愛を持つ子どもに育てよう」というスローガンをよく聞きます。だから、地域の行事に参加させ、郷土の特徴を勉強させる。それはそれで意味があると思います。ただ、経験から言えば、千葉県に住んでいた私には郷土愛が育ちませんでした。市川市について勉強もしたし、地域のお祭りにも遊びには行っていました。それでも、育ちませんでした。母になった今、その違いは、親も含めた地域の大人たちの気持ちにあるのだろうと思っています。どんな地域にも完璧はありません。いい部分とよくない部分があるでしょう。そこに住む大人が、いい部分を、誇らしい気持ちで見ているか、よくない部分を変えたいと思っているか。そういう大人たちの心持ちが、地域の雰囲気になり、それが子どもたちの郷土愛を作り出していくのだと思っています。

 

【広い世界を知っても、戻って来たくなる地域に】

個人的には、我が子には1度広い世界を知るために富士宮から出て経験を重ねてもらいたいと思っています。そして、世界の広さを知った上でも、富士宮にいつか戻ってきたくなるような地域であってほしい。そのためにできる、目の前の小さなことを1つずつやっていきたい。私にとってはその内の1つが、母力向上委員会の活動です。いつかこの子がこの土地で子育てをするようになった時、子育てしやすい町であるために、今感じる、理不尽なことを変えていきたい。小さな小さな目の前のことが、大きな大きな未来につながると信じて、子育てしていきたいと思います。

 

文責 小野麗佳