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6月 岳南朝日新聞 母力コラム掲載されました。

毎月第2木曜日は、岳南朝日新聞の母力コラム「母に必要なチカラって何だろう」の掲載日です。

親として、自分の子どもに何を残そうと思いますか?
お金や物も現実的な考えでありますが、それだけではく、「子どもの心」にどんなことを残すかも親として考えたいものです。
子どもの成長そのものと、その時間を共有した親としての自分の心の状態を残しておく「たすき帖」。
子どものためだけでなく、育児中の自分の心の状態を整える効果もあるようですよ。

親が子どもに残せるもの

●がんになって始めた仕事
先日、2年前に末期がんであることを告げられた男性に会いました。西口洋平さん、37歳。がんの治療を続けながら、人材会社で働き、子どもを持つがん患者のためのコミュニティサービス「キャンサーペアレンツ」を立ち上げ、運営しています。がん患者になって強く感じたのが、子どもや家族を残して死ぬかもしれないという不安と、自分と同じ境遇の人が周りにいない孤独。そこで西口さんは、がん患者が互いにつながり、家族や仕事のいろんな悩みを相談し合えるコミュニティーネットワークをつくり、ビジネスにも活用したいと考えました。「事業から利益を出せたら、このネットワークに継続性が生まれる。また、この活動を通じて仕事を提供できたら、関わる人々のモチベーションも保てる。」そういった西口さんの活動は、孤立しがちな子育てのスタート期につながりを持つ場を作り、子育て中の母たちの活躍の機会を生み出すという母力向上委員会の活動にも似ていると感じました。

●何をどのように残すか
西口さんがこの活動を、「最後の仕事」として取り組もうと考えた理由の一つは、お子さんの存在でした。がんを宣告されて考えたのは、「もし今死んだら、自分は何を残したと言えるだろう?」ということ。小学校低学年のお子さんに残すものとして、お金や、手紙、ビデオレターなどいろいろ考えた末、このキャンサーペアレンツの仕事を「最後の仕事」として残したいと考えたそうです。このお話を伺って、カーネギーメロン大学のランディ・パウシュ教授が十年前に行なった「最後の授業」のことを思い出しました。ランディ教授も、余命半年と宣告された後に、子どものころの夢を実現させる方法と題して「最後の授業」をしましたが、これは、三人の子どものためでもありました。父親がどのような考えで、どのようなことをしてきたのかを残したかったのです。結局、私たちが子どもに残せるのは、どのように生きたかという「後ろ姿」なのかもしれません。

●子どもの心に残るもの
子どもに残そうと思わずとも、子どもの心に残るものがあります。それは、日々子どもたちにかけている言葉や、言葉以外の表情、態度そのもの。どんな言葉を、どんな印象が、子どもの心に残っているでしょう。忙しくて、自分の心に余裕がないときに、思わず心ない言葉をかけてしまったり、怒りにまかせて余計な一言を言ってしまうこともあるかもしれません。でも、本当に子どもの心に残したいのは、イライラした態度や、ネガティブな言葉ではないはず。笑顔や、子どもの心の肥やしになるような言葉を残したいと私は思っています。

●心の状態を整えるために
私たちが発する言葉や、表情、姿勢などの非言語の表現は、私たちの「心の状態」によって作られます。ということは、子どもにとってプラスの言葉を残したいと思うなら、親自身の心の状態をいい状態にしておくことが大切と言えます。心を整えるためにおすすめなのは、「書く」こと。「書く」という行為自体がストレス解消にも効果があると言われるように、子育て中の喜びやつらさ、苛立ちなど心の中にある様々な感情を外に出してしまうことで、心が軽くなります。そして、言葉にされたものをみることで、自分の気持ちを客観視できるのもいい効果かもしれません。

●子どもの成長を感じるために
そして、「書く」ことで残せるものがあります。それは、子どもの成長の様子です。今は、映像や写真のデータで残している人も多いようですが、直筆での記録は、味わいやぬくもりが感じられるものとしておすすめです。子どもが初めて歩いたとき、言葉を発したときなど、幼いうちはその成長をひとつひとつ喜んでいたのに、いつしか、子どもの足りない部分ばかりに目がいってしまったり、他の子と比べてしまうことが多くなるように思います。幼い頃だけでなく、小学生、思春期になってからも、少しずつでも変化を記録していくことで、その時々の「点」としての出来事が、成長の「線」として感じられたり、「今」に感謝できたりするきっかけになるかもしれません。親の気持ちや子どもの長期の成長を記録することができる「たすき帖」を富士宮市では、子どもが生まれた家庭に配布しています。その「たすき帖」を使ってできることや、活用法などをお伝えする講座「たすき帖ことはじめ講座」を母力向上委員会で今月29日(木)に開催します。詳しくはホームページをご覧ください。ご参加をお待ちしております。

(NPO法人母力向上委員会HP https://haharyoku.com/ )