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11月岳南朝日新聞母力コラム掲載されました

毎月第2木曜日は、岳南朝日新聞の母力コラム「母に必要なチカラって何だろう」の掲載日です。
今月のタイトルは『先輩ママの心がけ』です。

 

迷惑をかけないように

私は、「人に迷惑をかけないようにね。」と小さい頃から言われて育ちました。
私だけではなく、多くの日本人が同じなのではないでしょうか。
近年、この迷惑をかけないようにという価値観が広がってきているように思います。
だから、少しの迷惑でもネットで叩かれ、文句を言う人が出る。
しかし、インドではよくこう言われるそうです。
「人は生きていくのに、迷惑をかけざるを得ない存在なのだから、人のことも受け入れてあげなさい。」
日本には、お互い様という言葉がありますが、
このインドの迷惑に対する考え方は、まさにお互い様を表しているように感じます。

 

大丈夫

あるブログにこんな話が書いてありました。
おんぶ紐のスナップ止めに手こずっていたお母さんに「手伝いましょうか?」と声をかけたら、
「いえ、大丈夫です。」と断られたというお話です。
一般社会でも、電車で高齢者に席を譲ったら「大丈夫です。」と断られたという話もよく耳にします。
この「大丈夫」と言ってしまう心理というのは一体何なのでしょうか?

 

自分は弱者?

実は、私自身よく「大丈夫です。」と言っていました。母になりたての頃のことです。
小さい頃から人に迷惑をかけてはいけないという価値観で育った私は、
できる限り自分のことは自分でしなければならないと強く思っていました。
母になるまで、大丈夫ですか?と誰かを助ける声をかけることはあっても、
大丈夫ですか?と言われる立場になったことはありませんでした。
しかし、母になるといっきに、道で会っただけの知らない人にまで「大丈夫?」と声をかけられる側になります。その差に驚きました。自分は人に迷惑をかけるような存在じゃないと思いたい。
だから、「大丈夫です。私まだ自分でできます。皆さんに迷惑かけません!」という一心で、
親切な言葉を断っていました。
助けられた言葉

あるスーパーでのこと。小さい我が子を連れて、大きな買い物袋を持って店を出ようとした時です。
「これ持って行っちゃうね」と、スーパーのカートをサッと返しに行ってくれたおばさんに会いました。
その瞬間は呆気にとられたのですが、その姿がかっこよく、感謝の気持ちが後からじわじわと湧いてきました。
相手の気持ちを考えた上で、「これ、やっとくわよ」とサラッと行動に移せるその潔さが、
育児の負担を減らしてくれました。

 

大丈夫と言ってしまうママへ

我が子が小さい時は、スーパーで寝転がって駄々をこねられたり、
カートに乗りたがらず足で踏ん張られて動けない…なんてこともありましたが、
その度に先輩ママたちに助けられてきました。そんな子どもたちは、もう小学生。
気づけば私も先輩ママの仲間入りです。
今、「大丈夫ですか?何か手伝いましょうか?」と小さい子連れのママに声をかける時、
懐かしさと自分も助けてもらってきたという恩送りの気持ちが大きいのです。
もちろん「いえいえ、私は大丈夫です。」と断られることもありますが、
私もそういう時があったからと話して、強引にお手伝いすることも少なくありません。
子育ては、母親1人でできるものではありません。
たくさんの手によって、たくさんの人の力を借りて、ようやくできることなのだと思います。
「ありがとう」と善意を受け入れられた時、少し誰かに頼れる自分に近づくことができるのではないでしょうか。もっと周りの人を信じて、頼って子育てしていけたら、お母さんも子どもも楽になれるのかもしれません。

 

ママを助けてくれる大人たちへ

お母さんたちは「大丈夫ですか?」と声をかけてもらった時、
「もしかして迷惑だったかな?」と不安な気持ちが先行する場合が多くあると思います。
迷惑をかけてしまったのではないかという気持ちからその善意を素直に受け取れない。
そんなお母さんたち気持ちを汲んであげられたら素敵だなと思います。
誰かにしてもらった恩を、また別の人に返す。
この恩送りが、いつか子ども達が親になった時に、
当たり前のように周りが手助けしてくれる世の中になるように続いていったらいいなと思います。
だって、人は迷惑をかけないと生きていけない存在なのですから。

 

文責:高部昌子(NPO法人母力向上委員会)