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6月岳南朝日新聞母力コラム 掲載されました

毎月第2木曜日は、岳南朝日新聞の母力コラム「母に必要なチカラって何だろう」の掲載日です。
今月のタイトルは「専業主婦は贅沢ですか?」です。

仕事してないからいいよね

我が子が1歳半だった頃、フルタイムで働くママ友にこう言われました。「○○ちゃんは、働いてないから時間あっていいよね~。専業主婦って憧れるわぁ。」と。私はこれに強い違和感がありました。

山梨でそれまで勤めていた職場を辞めて結婚を機に富士宮へ移住してきた私。すぐに妊娠したため、富士宮での職歴はありませんでした。働くことよりも我が子が3歳頃までは、たくさん一緒にいてあげたいという気持ちで、専業主婦の道を選びました。金銭面的には厳しい状況でしたが、お金よりも子どもの育ちを大事にしたいという気持ちからの選択でした。しかし、主人の実家も遠方だったため、頼れるじぃじばぁばもいない転入先での育児は、想像を超えて私を孤独に追いやることになりました。

 

自由がない

1歳半の娘はかわいい存在でした。ただ、朝起きて夜眠るまで、ご飯を作って食べさせる、オムツを替える、ママ遊ぼうという声に応える、炊事洗濯掃除といった家事は1人でこなしながら、外に行きたいという娘を公園などに連れて行く。そんな日々に余裕は全くなく、トイレや自分の食事すらゆっくりしている時間は取れていませんでした。夜もまだ夜泣きや授乳が続いていて数時間置きには起きる日々。ほっとできるのは我が子がお昼寝している間だけ。でもなかなか進まない家事をお昼寝の間に済ますことも多く、結局お昼寝の間も働き続けていました。主人はサービス業のため土日も休みではなく、休みは週に1回。主人に子どもを預けて自分の時間を取るというのも2,3ヶ月に1回という頻度でした。

 

稼いでいないという負い目

今考えれば、なんであんなに頑張ってしまったのかなぁと思うのです。でもあの頃は、自分は稼いでいないという負い目が、1人で子育ても家事も頑張らなくてはいけない、できるだけ私がやらなくちゃ、という気持ちに拍車をかけていたのだと思います。毎日使うお金の管理は自分がしているので、毎月何にいくらかかっているのかよくわかります。そのお金を稼いできてくれる主人に迷惑をかけてはいけない。その気持ちが、余計に自分の首を締めていました。

 

専業主婦は羨ましい

専業主婦という言葉の響きは、働いているママたちにとっても、育児が終わった年配の方々の耳にも、うらやましいものと響くことが多く、「今何しているの?」とに聞かれ「専業主婦」と答えると、「いいねぇ。楽で。」とよく言われました。もちろん、働いているママは大変だと思います。今現在、私も働くママになりましたので、その気持ちもよくわかります。朝早く起き、家事をこなし、園の支度を整え送り出し、すぐに職場へ行って仕事をする。仕事が終わったらすぐにお迎えに行って、夕飯を作って、お風呂に入れて寝かす。これだけで毎日が息切れするような感覚です。もし子どもが体調を崩せば、その調整に奔走しなければなりません。

しかし、我が子が1歳半だった頃の私にとってみれば、子どもを預けて、子どもと一緒ではなく、1人の大人として過ごす時間があるということ自体、それが仕事だったとしても、そのことのほうが本当にうらやましいという思いでした。

 

感じ方は人それぞれ

1度仕事から離れ出産した人が、また求職して社会復帰するまでの道のりはまだまだ険しいものです。特に求職中は、面接1つ行くにも子どもを預けねばなりませんし、求職中の状態では希望の保育園に入れることは難しいものです。

近年、女性の活躍推進のための施策が、国でも県や市でもさかんに行われています。これ自体は大変喜ばしいことだと感じます。ただ、働くことだけが正解ということではないはずです。小さいうちは我が子と長く過ごしたいという気持ちで数年だけの専業主婦を選ぶ人も多くいます。そんな専業主婦は、必ずしも経済的余裕がある人や働く意欲がないわけ人なわけでは決してなく、価値観と状況の違いなのだと思います。ワーキングマザーだから、専業主婦だから、母だから、女だから、未婚だから…という名前にとらわれることなく、自由な選択を応援し合える地域になっていきたい。そのためにできる小さなことを1つ1つ考えて過ごしていきたいものです。どんな生き方も選択も人それぞれ、その大変さも楽しさも人それぞれなのですから。

 

文責:小野麗佳