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岳南朝日新聞12月コラム 掲載されました

毎月第2木曜日は、岳南朝日新聞の母力コラム「母に必要なチカラって何だろう」の掲載日です。
12月のタイトルは「同居の子育て、核家族の子育て」です。

 

完全同居の二世帯から核家族世帯へ

最近、完全同居の二世帯住居から独立し核家族世帯での生活をスタートさせました。「完全同居」というのは、玄関や風呂、トイレ、台所など、親と子世帯が共有してひとつの家で一緒に生活をすることです。もともと夫の経営する自営の飲食店を手伝う為、週に6日は夕方から夜中にかけて仕事をしており、炊事洗濯から息子2人の食事や寝かしつけにいたるまで夫の母に頼っていました。つまり私は主婦としての仕事をほとんどしていませんでした。料理や掃除なども不得意だったので、長男が生まれてから11年間このような生活でした。しかし仕事の都合で店の近くに引っ越すことになり、同居の世帯から独立し、家事育児と仕事を両立せざるをえなくなったのです。新しい生活が始まり、その変化から気づかされたことがいろいろありました。

 

自分の当たり前は他の人の当たり前ではない

私たち家族だけでの生活が始まりまず気づいた事は、「自分は料理や洗濯が苦手だ」と思っていたのは思い込みだったということ。嫌ではなくむしろ楽しく感じていることに気づきました。同居の頃は、私が嫁ぐよりずっと前からのその家のルールがたくさんありました。今思えば当たり前の事ですが、結婚前まで気ままな一人暮らしをしていただけにその家のルールや時間に合わせて家事をすることが難しく、勝手に不満を募らせて「やりにくい」「苦手だ」と思い込んでいたのです。もちろん義理の両親にとっても同じように私に対してストレスがあったと思います。

同居の秘訣は、『自分の当たり前は他のもう1人の当たり前ではないことを、ちゃんと認識しておく事だ』と同居のベテランから聞きました。私の場合も嫁いだ家の「ルール」や「常識」は、決して自分のそれとは同じではないということを意識すれば、ストレスはもっと少なかったでしょう。

 

身近な人のサポートほどありがたいものはない

核家族での生活を始めてもうひとつ実感していることがあります。子育てにおいて義両親のサポートがいかに有り難かったかです。子どもを怒った時に、核家族の生活では他人の目がなく、怒りがエスカレートしてしまうことがあるのです。そんな時に他の大人がいれば冷静に子どもに話をしてくれたり、自分が子どもから一旦距離を置いてクールダウンができたりすることもあります。子どもにとっても、他に見守る大人の目や親以外に頼れる存在は、ある意味逃げ道にもなるに違いありません。核家族になって初めて、傍で一緒に子どもを見てくれる存在の大きさに気づかされました。

 

子どもの幸せに大切なもの

子育てを全面的にサポートしてくれ、家事や育児において必要な智恵や力を身につけさせてくれた夫の両親に心から感謝しています。また、同居中に自分はコミュニケーションの講座や子育て支援員の研修など学びたい事に時間を費やすこともできました。私にとって同居での生活は、母親として自立するために必要な時間だったのだと思います。

今回私たち家族が独立を決めたのは、自営の店の近くに住んだ方が子どもたちと過ごす時間も多くなるだろう、部活や習い事など子どもたちがやりたいことのサポートもしてあげられるだろう、そんな想いで、夫婦で悩み考えた結果でした。なによりも子どもたちがより幸せになってくれることが親として一番の願いです。そしていま「ただいまー!」と元気よく店に飛び込んでくる我が子の笑顔を見られることに幸せを感じています。これからも変わらず祖父母が子どもたちを見守ってくれること、また、祖父母の元で明るく元気に育った息子たちは、新たな地でも周りの方々に温かく見守っていただけると信じています。

富士宮・富士では、地域的に親と同居の世帯も多いと思います。一緒に暮らしていると、身近な存在の有難さになかなか気づけないものですし、お嫁さんやお婿さんにとっては悩みや苦労も多いと思います。でも、おじいちゃんも、おばあちゃんも、みんな子育ての仲間。時に頼り、子どもの成長を一緒に見守ってもらえたらいいと思います。

また、核家族で親子つきっきりの子育てに疲弊するお母さんも多い世の中です。「親以外の大人」の存在が子どもにとって必要な時もあります。ご近所のおじいちゃんもおばあちゃんも、おねえさんもおにいさんも、ぜひ子どもたちを一緒に見守ってください。子どもも大人も、笑顔で、幸せでいられるように。

 

文責:佐野かおり