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岳南朝日新聞コラム7月掲載されました

毎月第2木曜日に「母に必要なチカラって何だろう」が掲載日されます。
子育て中のお母さんたちのリアルな声をお伝えしていくので、ぜひご覧ください。

6月のタイトルは「外国人になった私の子育て」です。

 

Hola!!こんにちは。私は4歳と2歳の男の子の母です。私たちは今、夫の海外出向に帯同して、メキシコのアグアスカリエンテス市(以下、アグアス)に住んでいます。昨年の7月に富士市から移住して、ちょうど1年が経ちました。アグアスには日系企業が複数あり、1000人以上の日本人が住んでいます。日本人学校や日系スーパーがあるだけでなく親日家も多いので、日本人にとって住みやすい街です。今回は、海外に移住し、現地の人にとって「外国人」になった私が感じていることについてお話します。

 

<言葉の壁なんて、ないのかもしれない>

メキシコは、スペイン語圏です。移住当初スペイン語をまったく話せなかった私は、話しかけられても苦笑いしかできませんでした。あれから1年経った今、彼らと話したくてスペイン語を学んでいますが、まだ話すことも聞き取ることも数%しかできません。でも、それが当たり前だと感じられますし、辛いと感じることはありません。朗らかでいつでも温かく迎えてくれるメキシコ人が大好きです。日本では自力でできたことが、スムーズにはできないことも多い海外生活では、自分の非力さを感じることもあります。子育てをしていると尚更です。でも、アグアスの人たちは私の「わからない」に快く付き合ってくれます。言葉が通じていなくても会話を続けてくれます。そのおかげで、私は受け入れられていると感じられるのです。「話しかけても伝わらないだろう」と話すことを諦められてしまっていたら、私はもっと孤独を感じたり生活に困ったりしているでしょう。日本人は相手の言語が話せないと話しかけない傾向がありますが、ちゃんと話せなくていいのです。富士富士宮で生活する外国人、観光客で困った顔をしている人がいたら、カタコトの外国語や簡単な日本語でいいので、ぜひ話しかけてみてください。子育て中の外国人はたくさん不安を抱えています。同じ母親として、伝えられることがあるはずです。たとえ問題が100%解決しなくても、会話が終わった時に彼らの表情は明るくなるでしょう。そして、それは想像以上に楽しいものです。

 

 

<「私の子育て」を楽しもう!>

日本では子どもの食事や生活習慣を楽しみつつも気遣ってきましたが、移住後はガラッと切り替えました。幼稚園ではとびきり甘いデザートが出ますし、レストランの食事は美味しいけれどしょっぱいです。衛生的とは言えない場所も多いし、メキシコの日射しは肌を刺すように強いです。たくさんの努力と金銭を費やせば日本と似たような子育てもできますが、疲れて笑顔を失ってしまいます。「自分がしたい子育てって何だろう?」と自問した結果、「諦める」のではなく、「譲れるところは譲ってしまう」ことにしました。大切なのは譲ったその先、その代わりに何ができるかだと思えたからです。日本での子育てとは違うけれど、「今の環境でできることを子どもと楽しむ」ことが私の子育てです。メキシコ以外にもアメリカまで足を延ばして様々な体験をしたり、英語に力を入れている日系の幼稚園に通えたり、メキシコ人と誕生日を祝い合ったり…周りを見渡せば、マイナスをカバーしても余るほどのプラスがあるものです。今は、それに1つ1つ手を伸ばして子どもと楽しむことが私の子育てです。

 

<どこにいても、私は一人じゃない>

夫婦ともに富士市出身で義父母と同じ敷地に暮らしていた私は、恵まれた環境で子育てをしてきました。そんな私が海外でワンオペ育児に挑むのですから、出向が決まったときには帯同するか否かとても悩みました。ですが、今は子どもの成長を夫と共に感じる瞬間、父親と過ごす子どもの溢れんばかりの笑顔に、帯同という道を選んで良かったと思っています。心配していた生活や育児も、移住当初は1時間かかっていたことも最近は15分でできるくらいに成長しました。私は、距離こそ違いますが、地元を離れ富士富士宮へ転入して来られたお母さんと同じだと感じています。自分が作ったフィルターや壁を取り外したら、助けてくれる人や環境は思いのほか多いものです。少しだけ勇気を出して手を伸ばしたり、一歩を踏み出したりしてみたら、新しい環境での子育てはより楽に、より楽しいものになっていきます

 

文責:関友梨奈