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母力

岳南朝日新聞10月掲載されました

10月は 小野 麗佳

『子育て支援者がつながっていくことの価値―1人の100歩より100人の1歩―』をテーマに書きました。


以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。


『子育て支援者がつながっていくことの価値―1人の100歩より100人の1歩―』


参加者側からスタッフ側へ

15年前、1人目のこどもが生後2ヶ月の頃、まだ市民団体発足2年目だった母力向上委員会と私は出会いました。転入し友達もなく産後うつに近い状態だった私は、母力の座談会に救われ、出会って数か月で運営メンバーになっていました。それから、同じような境遇のママたちの力になりたいと、イベントや座談会などを仲間たちと企画運営し、フリーペーパーを発行し、年に1度の大きなイベントを作り上げ団体活動を続けてきました。関わり始めてから9年経った2018年に団体はNPO法人化し、少しずつボランティア活動だったものが仕事に変わっていきました


こんな支援がこの地域にあったのか

ボランティア活動として続けてきた9年間の中で、子育て支援者同士で地域の支援について話し合い、情報を共有していくことが大切だという考えの元、支援者同士のネットワークを作る事業に関わることになりました。最初はその大切さがピンときていなかったどころか、どんな支援者がこの地域にいるのか、自分が経験してきた子育てで出会わなかった他団体や行政機関などがどのような支援をしているのかすらあまり知りませんでした。地域で活躍している助産所や助産師さん、想いのある保健師さん、里親制度の認知向上に取り組む法人や、授乳ウェアを開発する会社の社長さん、抱っこ紐おんぶ紐を販売するメーカーの担当者さんなど、いろいろな方々に出会い話をし、そんなものがこの地域にあったのかと驚くことも多く、自分が0歳育児中に知っていたら頼れたのにと思うことも多くありました。


支援者ネットワーク研修交流会

それから数年に1度の頻度で支援者同士の交流の場を作ってきました。今年の7月にも数年ぶりに支援者ネットワーク研修交流会を運営しました。参加したのは、行政の担当課の方々や、民間の会社で子育て支援に取り組む人、助産院、託児所、こども園、民間団体や個人活動で支援をしている人など垣根を越えて29名の支援者のみなさんでした。お互いの活動紹介をした後にみんなで10年後の理想の子育て環境について話し合い、バックキャスティング方式でその理想を叶えるために必要なことを話し合いました。今、それぞれの現場で乳幼児子育て中のパパママに寄り添っている支援者だからこそ感じている、現代の子育てリアル、その支援の在り方を踏まえた上でのプラン作成になり、ワークの時間を超えても話が止まらないほど盛り上がりました。


10年後の理想の子育て環境

支援者同士で話し合い出てきたのは、保護者の多様なニーズに対応した保育サービスの展開、おむつやミルクの購入助成、妊娠中から使えるサポート券のバリエーションを増やすなどのすぐに取り組めそうなものから、情報の一本化や条件なしの託児所の設置、産後ケアが当たり前の世の中、ご近所も協力して子育てできる街、などの長い期間が必要そうなものまでありました。最終的に10年後どんな社会になっていたら理想的かという問いには、みんなでつながり子育てを楽しむ余裕のある環境、親も子どもも誰もが認めあえる子育て環境、今の10代が子どもが産みたいと思える社会などの言葉が生まれました。どのアイデアも施策も、今乳幼児を子育てしているママパパに寄り添っている支援者だからこそ出てくる切実なものばかりでした。


みんなで手を取り合って理想を叶えていく

子育て支援は、国や県、市町がやればいいだけのものではありません。民間も個人も1人1人が取り組んでいくものだと思います。1人、1団体、1企業だけではできないことも、みんなで協力すればできることがあります。同じ目標を見据えることができれば、その力は大きくなっていくものだと思います。今回の支援者ネットワーク研修でも、最後に自分の業務や活動の中でそのためにできることは何かを考えて終了しました。支援者同士がつながることで、よりよい支援につながっていき、それがより子育てしやすい街作りにつながると考えています。お互いの想いと未来像を共有しながら、これからも地域のママパパのサポートをしていきたいと思っています。


文責 小野 麗佳

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