毎月第2木曜日、岳南朝日新聞に母力コラムを掲載いただいています。 コラムタイトルは「母に必要なチカラって何だろう?」です。 11月はメンバーのみかさんが~母という付加価値~をテーマに書きました。以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。
▼共働き主婦は増えたけれど…
厚生労働省の発表では、2018年に共働き主婦の割合が専業主婦に対して2倍になったと発表されています。今まで一般化されていた「専業主婦」の時代は薄れ、今は「共働き主婦」が多くなっているのではないかと思うのです。
私も母であり、主婦であり仕事を持つ身として思うのは、社会的に「主婦」は依然「専業主婦」のままであるのかもしれない、と思うのです。まだまだ、学校行事や通院、自治体業務も主婦(女性)がやる事が前提、どんなに忙しくても「ママは毎食料理をする」「ママが子供の世話をする」という専業主婦時代のマインドが、今も色濃く残っているように思えるからです。
▼気軽に助けを求められない
そんな社会の中で、いつの間にか働く女性は「家事も完璧にこなして、お金も稼ぐ」スーパーウーマンを求められているのではないでしょうか?
多忙な毎日に、「仕事は楽しいけど、家事も育児もいつも楽しいとは思えない」。そもそも楽しいかどうかとは関係なしに、「家事は、生活するために必要だから」といった現状に、「自分だけがやっている。私がやらなければ、頑張らなければ、誰がやるの……?」と思いはじめると、それがストレスの原因の一つとなり、頑張れば頑張るほど理想通りにできない自分を責め、イライラがつのり、怒りや悲しみになってしまう…なんて事はありませんか?少なくても私は、そうでした。完全同居ということもあり人の手はありましたが、勝手に「理想」を作り上げ、自分で自分を追い詰め、ここまでできなければ「良い嫁」「良い妻」「良い母」と思ってもらえなくなると、自分以外からの評価ばかりを気にして、家族にも助けを求めることができませんでした。
▼家事を分担する
「何故、家事をやるのか?」を考えた時に、「心地よく暮らすために家事は必要」と言ったことに気付きました。そうなんです、家族と心地よく暮らすために、家事は必要なんじゃないかと思ったのです。実際、自分一人分のご飯は、空腹を満たせれば良いことが第一条件ですし、多少のほこりや部屋の汚れは気になりませんでした。
家族にとっても必要とされる心地よさのための家事ならば、決まりをつくって分担してしまった方が、時間にも心にもゆとりが生まれるのではないかと思ったのです。自分がやっている家事仕事を書き出し、細分化し、「どの家事なら、主人にも、子供たちにも手伝ってもらえるのか?」を考えました。
やって欲しいと伝えるだけでなく、何故この家事仕事が必要なのかも伝え、少しでも家族が家族のために、自分たちの心地よい生活が送れるために何が必要なのか考える時間は、とても楽しい発見もありました。
お母さん一人が、家事仕事を担ってしまうことで、家族も疲れさせているのではないかと思ったのです。お母さんの笑顔は、家族の笑顔だから。
▼家族をチームに
家事を分担することで、お母さんの家事仕事量に変化がおきます。時間と心にゆとりが少し生まれます。が、どうしても時間的にも体力的にも、家族だけで何とかできない時もあります。そんな時は、家事を外注するという選択があります。
ただ、家事を外注することは、家族にも理解・共感して欲しいことでもあるのです。主婦が、他人に助けてもらうことを、理解・共感して欲しい。と願う気持ちがご家族やご主人に届いて欲しいと願うのです。そこから生まれる「安心感」は絶大なパワーだと思っています。みんなで助け合う、家族がチームになれたらいいのではないかと思うのです。
▼家事外注も時代の変化の一つ
大切に思う我が子たちが同じ苦しみに悩まないように、今を生きる母たちにとっての「専業主婦時代」から「共働き主婦時代」へのルールチェンジによる様々な変化が、家事を外注するという形につながるのではないでしょうか?
家事を分担する、外注に出すことで、時間のゆとりと安心を手に入れて欲しい。お母さんって、楽しい。お母さんになったからこそ得られた楽しさを感じて欲しい。
お母さんという付加価値を楽しめたら、結婚も、出産も、育児も、働くことも、より魅力的で豊かな時間になるのではないでしょうか。
▼母という付加価値
私は、家事のプロと呼ばれる家事代行さんですが、目指すのは女性である事にも母である事にも意識を高め、胸を張って生きていたいと思うのです。
女性は、自分よりも大切な存在を、自分自身が生み出せた奇跡と、その小さな命を生かしている事、自分の命を生かしている事、ただそれだけで百点満点なんだと、思うのです。そんな想いを込めて、これからもお母さん達に寄り添い、母になったからこそ、得られる幸せを私自身も感じながら生きていこうと思うのです。
文・写真:佐々木実香
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