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母力

岳南朝日新聞7月掲載されました

7月は 伊藤千恵

がんばり屋さんのかあちゃんにこそ頼ってもらいたいをテーマに書きました。


以下より全文お読みいただけますので、ぜひ読んでみてください。


がんばり屋さんのかあちゃんにこそ頼ってもらいたい



 最近ママたちと話をすると育休を取得するパパも多く、夫婦そろって赤ちゃんを迎え育児をスタートする家庭が増えていると感じてます。


◆産後の身体

初めて赤ちゃんを迎える家族にとってはひとつひとつが一大イベントです。はじめての授乳や、はじめてのおむつ交換、はじめての沐浴など。かわいい赤ちゃんとの暮らしのスタートは全部が特別できらきらと輝いて見えるでしょう。しかし、忘れてはいけないのはママの産後の身体。産後はホルモンの影響で、なんでも頑張れるし、無理ができてしまう時期です。この前の研修で、素晴らしい例えがあったのでここで紹介したいと思います。

『産後1カ月のママの身体は80代のおばあちゃんと一緒。』

衝撃的ではないですか?よく産後直後のママの身体について紹介するときは、「全治2か月の交通事故にあった後だと思ってください。」なんて説明するときもありますが、全治2か月が、産院から4、5日で退院してくるわけでそんなに実感は沸かないと思います。でも、80代のおばあちゃんという例えであれば、いたわってあげようと周りも配慮するに違いないですよね。80代と言っても人それぞれだとは思いますが、足腰は痛み、腰は曲がり、歩くのもやっと…産後も同じような状態なのです。つまりは、ゆったりと横になる時間を作り、できるだけ家事はしないという状態が望ましいということ。

産後に家事を頑張りすぎてしまうと悪露が一時的に多くなるという身体のサインもありますが、一番影響が出るといわれるのが年を重ねたときです。下腹部のポッコリお腹が治らないのは年齢のせいだけでなく、妊娠で子宮に押し上げられた内臓の位置が元の位置に戻ろうとするタイミングでママが立っていることが多いと内臓位置が下がりポッコリお腹になるといわれています。いわゆる床上げは約3週間ともいわれていますが、実際には様々なホルモンの影響を受けつづけるママの身体はもっとゆっくり回復していて、それによって気持ちも身体もついていかない時期だって沢山あります。だからこそ、この時期の周りのサポートがとっても重要なんですね。


◆産後のケアとは

今年度、母力向上委員会では産後ケアChill(チル)という活動を行っていて、富士宮市と富士市に住んでいる産後1年未満の方は市の助成を受けて助産師が実施する産後ケアの利用が可能になりました。

利用形態は2種類あり、1つ目はショートという2時間の滞在型。施設に滞在している2時間の中で助産師に授乳や育児、赤ちゃんのこと、自分の身体についてなど相談ができます。希望があれば沐浴や実際にトラブルがあれば乳房ケアを行います。

そして2つ目は、デイという6時間の滞在型。ショートと同じように助産師に相談したりケアを受けたりすることができ、お昼ごはんも施設内でとるため身体をゆっくり休めることができます。

施設は、さぁどぷれいすSAN(野中1136-5)という2階建てのログハウスで、施設内には助産師の他にも母子の支援に携わるスタッフがいて、さらに母力向上委員会の先輩ママたちもいます。助産師だけではない、他のママたちと話ができる機会が多いのもこのChillの特徴です。

月齢0~4カ月頃は、赤ちゃんのお世話や授乳の練習、母乳がどのぐらい飲めているか体重を測って評価するなどの相談事が多く、月齢5、6カ月以降であると離乳食や睡眠、赤ちゃんとの過ごし方などの相談があり、どの時期のママも不安や悩みを抱えていることが分かります。

 支援者がいる家庭は利用できないと思われている方もいるかもしれませんが、「産後の心身の回復について不安がある方、育児の不安がある方、退院後の日常生活について指導を受けたい方」は誰でも利用できます。利用するためには、居住場所の市へ申請する必要があるため、できるだけ妊娠中に申請して産後はいつでも使える状況にしておくと安心です。電子申請することもできるので、申請場所へ出向く必要がないのも忙しいママにはありがたい。


◆かあちゃんになる

 生んだらかあちゃんになるのかと言われたら、案外そうでもない気がします。赤ちゃんに、かあちゃんにさせてもらってるというほうが合っているのかもしれません。

そして、かあちゃんは頑張り屋さんな人が多いです。頑張りすぎてしまってしんどくなる前に、頼れる場所を見つけておくと、それが大切なお守りになると思います。ぜひ私たちに頼ってほしいと思います。


文責 伊藤 千恵

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